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 東洋大学のメインキャンパス、白山キャンパスが位置する文京区は、「紙」に関わる産業や諸活動とともに発展してきました。紙に関わる産業は多岐にわたりますが、文京区では印刷・製本・出版業、つまり紙を知的メディア化する業種が特に発達しています。印刷工場だけをみてもその数は180社を超え、印刷・製本業関連の出荷額は区の全製造業の出荷額の約9割を占めています。また近隣区に目を向ければ、北区は日本における洋紙産業発祥の地として、千代田区神田は出版社と古書の街として知られ、さらに荒川区や足立区には多数の古紙再生工場が存在しています。文京区と周辺区部は、日本有数の紙産業地帯であるといえます。
 紙は知識や情報を伝達し、人の創造性の働きを支える文化的な媒体です。文京区に紙産業が発達したことと、この地が多くの学校や文学のゆかりの地であることは、相互に関連しています。文京区の「文教」の地としてのイメージを支えてきたのは、紙産業であったともいえるでしょう。
 また、紙のモノとしての側面に着目すると、その製造・加工・消費・再生の過程はいずれも環境問題と深く関わっていることがわかります。たとえば紙の原材料となるパルプ用樹種の植林は、森林再生の役目を果たす一方で、中国や東南アジアなどでは生態系の撹乱要因になることもあります。紙と環境をめぐる問題は、きわめて複雑でありかつ地球規模の広がりをもっています。
 こうした状況認識のもと東洋大学社会学部社会文化システム学科では、2007年度から紙をめぐる諸問題を現場で考え、行動するための実践的な教育プログラム、「紙の総合学習を通じた地域間連携――文京区を基点とする実践的臨地教育を目指して」に着手することにしました。 

 プロジェクトは、1)学生と教員からなる調査グループが拠点地域=文京区・隣接区部、および海外関係地域=中国や東南アジアにおける臨地調査(フィールドワーク)を通じて紙に関する諸問題の歴史過程と現状、それらの地球規模での相互連関性を把握すること、2)調査の成果を調査地の人びとに還元し、紙に関わる諸問題についての総合的理解を共有できるような情報チャネルを確立すること、3)紙産業・紙文化を通じた地域振興ならびに紙をめぐる環境問題のローカルレベルでの解決に向けた活動計画を創案・実践し、地域(市民・事業者・行政)と大学との連携をはかることを目的としています。
 プロジェクトにおいては、紙に関する諸問題を以下の3つに大別しています。
1.地域と産業に関わる問題(主に地域誌班が担当)
   ・紙産業を担う事業体・事業主の社会史・個人史
   ・紙に関わる地域経済構造
   ・教育事業・出版業と地域振興の関連など
2.地域と住民に関わる問題(主に地域環境班が担当)
   ・リサイクル運動と市民ネットワーク
   ・「文教」地区意識の生成
   ・リサイクル業を支える人々とその社会文化的背景
   ・環境学習の歴史過程など
3.紙と環境の国際理解にかかわる問題(今後、地域間連携班が担当予定)
   ・紙原料の供給による生態環境の変遷
   ・原料供給地域における社会経済生活の変容
   ・森林をめぐるマクロな政治経済など

 本プロジェクトは、これらの相互に関連する問題群を臨地調査に基づいて考え、地域振興と環境問題の解決に向けた地域連携を構築することを目指しています。その一連の作業は、具体的なモノを手がかりに、地域を基点として地球規模の問題を考え・行動するという実践的な臨地教育のモデルにもなると私たちは考えています。
東洋大学社会学部社会文化システム学科
 プロジェクト・リーダー 植野弘子
 地域環境班リーダー 長津一史
  お問い合わせは、プロジェクト・リーダー(植野)uenohi=toyo.jp(=を@にかえてください)まで。